日本のみなさま、こんにちは。
EQ CaliforniaのTです。
今回は今月の初めに一定の終止符がなされたアメリカでの歴史的な事柄について。
先月ちょっとした用事でNew Mexicoを訪れました。
いつも会いに行くNavajoの友人はとっても陽気。
だけど今回は何か神妙な面持ちな彼。
そんな彼から以下の画像を見せられ、『これはおそらく日本人で、日本語だと思うが何と書いてあるの?』って質問を受けたんです。
私も今年の夏にこの件を知って動向を気には留めていたのですが、彼曰く『この前Standing Rockで大規模な集会があったんだ。そこにはヨーロッパ、インド、モンゴル、カナダ、日本、アラスカを含むアメリカ中に住む先住民の代表が集まったんだ。その時の画像なんだ』と。
この件とは、アメリカのノースダコタ州を中心とした石油輸送用のパイプライン建設計画の中止を巡ってアメリカ政府、石油会社などに対し、この一帯に住むNative Americanの人々を中心とした反対運動のことです。
今年に入ってから裁判をしたり、大小関わらず全米を中心とした世界中で様々なデモ活動が行われていました。
SNS上ではハッシュタグに#noDAPL,#waterislife,#standwithstandingrockなどを付けた画像や情報が頻繁にアップされています。
抗議活動はアメリカのスターたちにも影響を与え、Native Americanを擁護するスターの投稿が話題を集めます。
これら以外にもシェイリーン・ウッドリー、ケイティ・ペリーなど多くのセレブと呼ばれる人々が支持を表明。
そんな中RollingStone誌の掲載で話題になったのはニール・ヤング。
彼はこの活動を支援するプロテクトソング”Indian Givers"を9月に発表。
そして11月末には自身のFacebookにて現大統領のオバマ氏、そして次期大統領となるトランプ氏へ向けた長文のメッセージを掲載。(以下全文和訳)
「メイフラワー号でアメリカ大陸に最初にやってきたピルグリム・ファーザーズたちがアメリカの原住民と一緒に収穫を祝福し、パンを焼いて、分け合ったという1621年秋のプリマスのプランテーションでの祭事の物語は嘘なんだ。この物語はいまだに人を鼓舞するものとして使用され、子供たちに伝えられ、感謝の美しさを教えている。
しかし、このサンクスギビングにまつわる物語が偽りの歴史であることは広く知られている。この物語は広大な大陸の元々の先住民に行使されたひどい大量虐殺をごまかすために作られたものだ。ヨーロッパ人は先住民を殲滅させようとしただけでなく、彼らの文化や言語を骨抜きにし、彼らをこの誰もが欲しがる土地から排除しようと、あらゆる努力を傾けてきたのだ。
プリマス・ロックからスタンディング・ロックまで、この嘘は僕らのサンクスギビング・デイを、大きい種族から小さな種族まで我々の前に住んでいた先住民を偲ぶ日に変えてしまった。
数週間前、ノース・ダコタ州のスタンディング・ロック・スー族のところを訪れたんだ。到着すると、500を超える部族やたくさんの人々が前例のない形で集まり、水を保護し、最も基本的な人間の真実を表明するために(パイプライン開発の)前線に立っていたんだ。彼らは水こそが命だと訴えてたんだよ。痛ましい歴史があるにもかかわらず、彼らは今日も僕らのために平和的に闘っているんだ。
冬がくるにつれ、さらに勢いは増すだろう。ライフラインの保護のために彼らは蜂起しただけでなく、アメリカ先住民の文化や主権を公正に保存するためにも立ち上がっている。僕らが話をした人々はみんな平和的な抗議をしてたね。武器も、アルコールも、ドラッグもそこでは禁じられていたよ。
水の保護を祈って蜂起することは、生命というものが自然と相互に関わり合っていること、伝統的な考え方が固有の価値と重要性を持っていること、そうしたことを深く根付いた部分で僕らが知っていることを示している。この拡大している運動は、愛から生まれたものであり、愛するものを守るという最も人間的な本能によるものだ。熱心に参加している若者がこのパイプライン反対運動の中心にいて、彼らは年配の人々から忘れてはいけない知識を受け継ぐため学んでいるんだよ。
これは目覚めなんだ。不要で暴力的で理不尽な侵略を前にして、部族ではない親族も含めみんな一緒になって、ここで強く立ち上がっているんだ。武装化した地元や州の警察や州兵に対してね。こうした人々はダコタ・アクセス・パイプラインの利益を享受する人々の関心を守るために行動しているように見えるよ。パイプラインに懸念を示している多くの納税者の税金を使ってね。企業の治安部隊や群保安官、州兵に対して蜂起しているんだ。水放射や警棒、催涙弾、ゴム弾に打たれながら向かってるんだよ。武器を持たずに蜂起し、祈り、氷点下のなか人権侵害に持ちこたえているんだ。いろんな場所から援助が到着し、ソーシャル・メディアの世界ではこの心を痛めるニュースが世界中に共有されている。でも、アメリカのメディア企業は報じる自由がないんだ。そうやってアメリカ企業の醜悪さを世界中に示しているんだよ。
でも、水放射で髪が凍るなか、彼らは蜂起してるんだ。彼らは善のために蜂起し、強く耐えているんだ。
バラク・オバマ大統領、あなたにお願いがあるんだ。スタンディング・ロックの平和的な抗議者への暴力について介入して、ただちに止めてほしいんだ。
僕らは抗議者たちを支援するために、あの場所にもう一度戻ることになるだろう。彼らが受け継いできた古の知恵への感謝と畏敬の念を持って、真の感謝を示すこの機会を大切に思って、一緒に蜂起しよう。前に進む道を自分たちに与えるために。生き残るための道を指し示すために。僕らは支援と敬意を捧げるよ。彼らは勇敢な人々だ。彼らには感謝の思いを持っている。
こうした運動に象徴されるように、アメリカの驚きの大統領も機会を豊富にもたらしてくれることになるよ。僕らの世代の大きな問題が光り輝いて、これまでになくそれに気づくことになるんだ。海から光り輝く海まで、スタンディング・ロックからウォール・ストリートまでね。
驚きの大統領は人気投票の勝者でもないし、理想を変更する権限も持っていない。覚えておいてくれ、200万人以上も多くの人がもう一人の候補者に投票してたんだ。
驚きの大統領は自由世界の指導者でもない。世界の200の国は石油やガスや石炭産業の利益を超えて、科学のほうを信じ、歯止めの効かない気候変動から未来を守るために一緒に取り組んでいるんだ。
驚きの大統領は気候変動科学者やその警告を信用しないと言ってるね。彼の発言と行動はその問題が存在し、破壊的なものであることを指し示しているよ。
驚きの大統領の内閣参加者にも怖がらないでほしい。彼らは黄金のエスカレーターを下に降りてるんだ。人種差別的な振る舞いをする人はあなたの指導者ではない。金ピカのタワーはあなたのものじゃない。ホワイト・ハウスこそがあなたの家なんだ。
抑圧に対する自由のもと活動を拡大させていくこと、気候変動に取り組むこと、破壊的な過去の産業を安全で再生可能なエネルギーに代替していくこと、この星の未来について総体的なバランスで考えることを推し進めていくこと、こうした運動はより強まり、僕らに持続的な光をもたらしてくれるだろう。これらの価値あるゴールは全世界の子供や、その子供の世代で実現するに違いないんだ。
これは真実のための節目なんだ。
怖がらずに、立ち上がり、打ち勝つんだ。力を貸そう。スタンディング・ロックの兄弟や姉妹のようになるんだ。可能であれば、あの場所に行ってみてくれ。僕らが国民として240年を超える歳月で実現してきた進化は、いつだって最初は人民から生まれたものだったんだ。
感謝を。ニール&ダリル」
こうした支援を受け、12/4アメリカ政府、陸軍商が建設の中止を決断発表。
これを受けデモに参加していたアメリカ退役軍人などを中心としたグループがStanding Rockを訪れ、謝罪の儀式を行いました。
退役軍人グループの代表を務めるウェスリー・クラーク・ジュニア氏(元米陸軍大将でNATOの最高司令官を務めたウェスリー・クラーク氏の息子)がオバマ大統領、アメリカ陸軍の名の基以下を表明。
「私たちの多く、特に私はあなた方を長年に渡り苦しめてきた部隊の出身です。
私たちがこの土地に後からやってきました。私たちがあなた方と戦いました。
私たちがあなた方の土地を奪いました。
私たちは協定に署名し、私たちがそれを破りました。
私たちはあなた方の神聖な丘からミネラルを盗みました。
私たちは私たちの大統領の名前の下、あなた方の聖なる山を爆破しました。
私たちはあなた方の土地をもっと奪った後、
あなた方の子供を奪い取り、あなた方に言語を押し付けようとし、神が、クリエイターがあなた方に与えた言葉を私たちは消し去ろうとしました。
私たちはあなた方に敬意を払わず、あなた方の地球を汚染しました。
私たちは多くの方法であなた方を傷つけましたが、私たちはここに謝罪にきました。
申し訳ありませんでした。
私たちはあなた方に仕え、あなた方の許しを請います」
これに対しラコタ・スー族の酋長であり、メディスンマンであるレオナルド・クロウドッグ氏は「私たちは土地を所有していません。土地が私たちを所有しているのです」と返答し、彼らに許しを与え、世界平和を訴えました。
一応の決着がついた形になりましたが、来年には新大統領となるアメリカ。
今後本当に建設の見直しが実行されるのか?動向が気になりますね。
そしてこの問題に関しては日本も無関係ではないんです。
というのも日本の大手銀行である三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、SMBC日興証券が投資、融資を行っているからです。
このプロジェクトには世界中の銀行が融資、投資を行っていますが、今回の建設見直しを受け、すでに撤退を表明した銀行も出てきています。
私たちは微力で遠く離れた地に住んでいますが、こういった情報を発信し共有することが私たちにできる事かなって思っています。
それではみなさまHave a great day!
Mita'kuye Oya'sin!!